lisa9640

やさしさに包まれる彼女のカフェ(後編)

-前編はこちらから- 「そこまですごいはっきりではなくて「できれば」みたいな。まだ子どもも小さいし難しいだろうな、それこそ物件もないしなとか」 協力隊として3年間の任期を終えたらいつか自分の小さなお店を持ちたいななんて思いながらも、はっきりとはしていなかった夢。 それでも、人に話していたぼんやりとした夢をこの夏、実現させた鳥海さん。 「協力隊を卒業してまた違う仕事を探すっていうのも簡単じゃないし、じゃあやっぱり自分でやろうってなったんです」 でも、物件探しが大変。 インターネットなどで空き家を探して見学し ...

今日のうみ(2022年10月2日)

浜ヨガの朝。うみべの町のヨガスタジオは、潮風が心地良い。 潮が引く間に現れるくっきりとした朝焼けの水鏡も、波で揺れるオレンジ色も、とっても清々しい気持ち。 浜ヨガが終われば浜コーヒーでひと息。気持ちの良い日曜日の朝。

やさしさに包まれる彼女のカフェ(前編)

小柄で可愛らしい見た目。いつも優しい笑顔と控えめな振る舞い。でも、実はパワフル。 「寝なくていいならもうずっと作っていたいみたいな。おかしなことになってますね」 今年7月末にオープンしたばかり。 古民家をおしゃれに改装して自分がやりたかったカフェ「とりうみ商店」を生まれ育ったこのまちで開業したのは鳥海奈美さん(42)。 開業から2カ月。まだまだ慌ただしい日々が続いているなかでお話を聞かせてもらう。 「営業時間以外はほとんどずっと仕込みで厨房にいますね。寝なくていいならもうずっと作ってたい。ははっははっ」 ...

野鳥の世界へ(後編)

ー前編はこちらからー 【今日はええ天気ですねえ】 「鳥を見ていたらストレスがない」そう話しながら、森さんは数々の野鳥の写真を見せてくれる。 「野鳥初心者」にとっては名前や違いがわからず、一見難しいようにも思うけれど、楽しそうな森さんの説明が一緒だとなんだかぐっと興味がわいてきて鳥の世界に少しだけ入った気になれる。 「カワセミはね、春になるとオスが魚をとってメスに口で渡して食べさせるわけ。求愛給仕いうてね。プロポーズするわけよ。魚の頭側をメスの口にうつすわけ。しっぽから渡したら鱗が当たって痛いろう。これで食 ...

野鳥の世界へ (前編)

【月・日・星の話】 「このコバルトブルーが綺麗やろう。ツキッヒィホシ、ホイホイホイと鳴くがよ」 晴れた日にはほぼ毎日野鳥観察に行くという森富美男さん(72)。 台風の影響で大雨だった取材日。 森さんにとってはあいにくの天気だったかもしれないけれど、自宅の素敵なログハウスでパソコンの画面越しに次々と野鳥の写真を見せてくれた。 高知野鳥の会にも所属し、野鳥観察や野鳥の調査をする森さん。 35年ほど前に由布院の金鱗湖でカワセミを見た時、「きれいやなあ。また見たい」そう思っていた矢先に町内で5~6羽のカワセミを見 ...

まんまるうみべのお月さん

9月10日。 中秋の名月。 中秋は、旧暦で8月15日。今では9月から10月が中秋にあたり、年によって日付は変わる。 昔はこの頃になれば段々と涼しい風が吹き出して虫の声もどこからか聞こえていたのかもしれない。 でも… 今、うみべの町の夏は10月頃まで続くから、「秋の真ん中」と言えるほどまだまだ心地よい風は吹いていない。 それでも、夏が終わり始めたなという気配はどことなく感じるこの頃。 秋は空気が澄んできて、冬よりも月の高さが低いと言われているから平安時代より日本人は月を眺め、和歌を楽しんできたそう。 和歌… ...

苦しくって、楽しい工程 vol.2

ーvol.1はこちらからー 浜﨑さんのキルト制作に取材へ行くと釣り具屋のような場所にたどりついた。 「ここかなあ」迷っていると、中から笑顔で手を振ってくれる浜崎さんの姿。 9年前に亡くなった浜﨑さんの旦那さんは自宅の1階で釣り具屋を営んでいたそう。 外観はもちろん、中に入るとその頃の名残りがところどころに見える。 釣り具屋でキルト制作。もちろん、当時の頃のそのままではないけれど、そのミスマッチな感じがたまらなく面白い。 棚の上にはずらっと並んだ焼酎の空き瓶。 「ほとんど毎晩旦那の友だちが来てね。365日の ...

苦しくって、楽しい工程 vol.1

「色々と考えないかんけん、苦しみやけど楽しみ。あ、ええなとか、自分で納得してね」 34年前からキルトを始めた浜﨑あけみさん(70)。 まだ子どもたちが小さかった頃、キルトをする間は旦那さんが子どもたちの面倒を見てくれていたそう。 「夜なべ言うがは、子どもが寝てからするもんぞ」と旦那さんに言われていたと笑って話す。 浜﨑さんがキルトに夢中になっている様子も家族のあたたかな雰囲気も想像できる。 元々洋裁が好きだった浜﨑さん。 「小さい頃からというかやっぱり昔やけん、母親がなんでも縫って着せてくれよったがもある ...

心躍るうみべの冒険へ(後編)

ー前編はこちらからー 塩屋の浜。 喜多さんにとってはあたりまえだけど、ここに来るお客さんや移住者から見れば「何て贅沢なんだろう」と目を輝かせるほどの場所。 海も、砂浜も、美しい。 「川があるから、雨が降ると濁ってしまうけど、天気の良い日は綺麗な海が肉眼でわかる。水面から透明な海がのぞけるよ」 シーカヤックの底面にはガラスの窓がついていて漕ぎながら自分の足元で海の様子をうかがうことができるけど、ガラス越しではなくてもわかるくらい透明できらきらと揺れる海の世界。 「イルカはもう4~5年は湾に住み着いているし、 ...

心躍るうみべの冒険へ(前編)

ジブリ映画のやさしいお父さん役で出てきそうなくりっとした瞳に口角が上がった朗らかな笑顔の喜多道臣さん(68)。 「二ヒッ」と吹き出しを添えたくなるような愛らしいキャラクターでシーカヤックの案内をしてくれる。 喜多さんが営む「SEA KAYAK 9640」は海の透明度とこじんまりとした浜辺が美しく愛らしい「塩屋の浜」がフィールド。 黒潮町佐賀地域にある塩屋公園の前に広がる海で、海水浴場ではないけれど、貝殻を探す人、散歩をする人、夏には磯遊びを楽しみに子どもたちもやって来る静かな浜辺。 ここで喜多さんがシーカ ...