川のほとりの未完成の家で、夢を追い続ける暮らし(前編)

「まだ未完成。できたらまだまだ色々したいことがある。今度はこの家の裏にtree houseを作る。東屋も作る」 「パパ〜、ブランコまだ作らんが?」 「tree house作ったら、ブランコも作るよ」 黒潮町奥湊川でセルフビルドの家に住む横内さんご家族。夫・デイヴさん(44)、妻・悠(はるか)さん(39)、息子・海都(かいと)くん(7)、娘・映葉(えいば)ちゃん(5)の4人、 約4年の歳月をかけて自ら建設した家に2年半ほど前から移り住み、家族で暮らす。ただ、 完成形のように見える家は、「未完成」。これからや ...

田野浦に咲く青く透き通る花々と2人の笑顔 (後編)

増己さんのお父さんは鉄砲百合を作っていたそうだが、鉄砲百合は冷蔵庫で球根を保管したり、重いものを運ばなければならなかったりと、他の品目に比べて重労働であることから、増己さんは「何か新しい花を作ろう」と考えた。そこで出会ったのが今の主軸である「デルフィニウム」だった。 「農大の頃の同級生のいとこが芸西の方で花を栽培しよう言うてね。その人を訪ねる前は、『トルコキキョウを作りたい』と思いよって、でも、行ってみたらなかなか難しいと。それで、その芸西の人がデルフィニウムを作りよって、『野並さん、これやってみたらどう ...

田野浦に咲く青く透き通る花々と2人の笑顔 (前編)

「小さい頃、学校から家に帰ってきたら、親父からの書き置きがあって。『どこそこで仕事しようけん、手伝いに来い』言うて。学校が昼までの時には、帰るとお昼ご飯とその横に書き置きが置いちょうけん、ご飯を食べちょったら書き置きを見た思われるけんね。ご飯を食べんと遊びに行ったりね」 優しい顔で笑いながら小さな頃の記憶を話すのは、黒潮町田野浦地区でデルフィニウムなどの花卉を栽培をする農家・野並増己さん(64)。田野浦地区と言えば、町内では「花卉」というイメージがあるが、最初にこの地区で花卉栽培のハウスを始めたのが増巳さ ...

いちごの声を聞きながら。蜷川で思い描く「農」の暮らしを(後編)

2011年、4月。 憲司さん、さち子さんはいよいよ自分たちの農業を始めることに。 ただ、それから十数年、今にたどり着くまでにはさまざまな変遷があった。 独立当初、まだ蜷川地区では空いている畑が見つからず、別の地区に畑を借り、ニンニクやジャガイモ、スナップエンドウを育てていた2人だったが、蜷川地区でハウスを譲ってくれるというおじいちゃんに出会う。 「蜷川に住むがやったら、消防団にも入って、部落の集まりや地域内での役割など、積極的に顔を出した方が良いっていう話を聞いていて、それで自分も『そうだな』と思って、活 ...

いちごの声を聞きながら。蜷川で思い描く「農」の暮らしを(前編)

「やっぱり、作物でも『相性』ってあると思うんですよ。ミョウガを栽培している時には、好きだけど自分たちには声が聞こえなかった。不思議なんですよね。イチゴに戻って、『こうやったらええやろうか』なんて考えながら世話をしていたら、やっぱり返ってくる。声が返ってくる」 黒潮町蜷川地区で農家として働く杉本憲司さん(46)・さち子さん(41)ご夫妻は、息子の祐樹くん(12)、浩輔くんと(9)と4人家族。イチゴ・レモン・サツマイモを栽培し、「sugimoto farm(スギモトファーム)」の名で町内外へ出荷している。 農 ...

日常に寄り添う器とおやつ(後編)

「『日常使いの器』をと思って作っています。お金がなくてもご飯茶碗一つあったら、なんか、いいですよね。やっぱり量産したものと、一つひとつ手作りのものは全然違う。『料理があっての器』と思っているので、料理の邪魔にならず、手作りの良さがみんなに少しでも伝わったらいいなと思っています」(弘晃さん) 遺跡発掘の際に地面の下から出てきた陶器を見て、「『粘土って、焼いたらこうなるんだな』っていう当たり前のこと、すごくシンプルなことなんですけど、『僕のやりたいことはこれだな』」、そう感じたと話す弘晃さん。 自分が感じたま ...

日常に寄り添う器とおやつ(前編)

「多分、みんな・・・みんなというか私もそうやったけど。どこかへ旅行に行ったり、都会に遊びに行ったり、そういうことの方が『すごく楽しい』って思い込んでるけど、『日常』が本当は一番楽しい。そのことに気づいたら、もっとなんか、なんだろう・・・。もっと楽しいことがいっぱいあるんじゃないかなって思うんです」 黒潮町・佐賀に拠点を置き、2010年から「日常屋」を営んでいるのは、清藤弘晃さん(49)と志乃さん(48)ご夫妻。弘晃さんが陶器を作り、志乃さんが焼き菓子を製造し、2本柱で生業としている。 「日常屋」という人々 ...

いつだって、海はみんなのあそび場だから(後編)

「うみのこども」としての活動は、主にビーチクリーンを年に4回ほど、また、小学校から高校を対象に環境に関する授業を行なっている。昨年度は、町が『地球温暖化対策実行計画』を策定する際に町と住民の間に立ち、住民の意見を計画に活かしてもらえるようにワークショップの開催などもした。 「『黒潮町がこんな風だったらいいな』っていう皆さんの意見が、町の温暖化対策と結びつくように。映画上映会をした後、みんながどんな未来のイメージを持っているかっていうのを出し合う時間も設けました」(村上さん) 子育て、福祉、暮らし、仕事。さ ...

いつだって、海はみんなのあそび場だから(前編)

「みんな海から生まれてきた子ども」 「子どもみたいに遊ぶ。子ども心。大事だよね」 同じ世代の子どもを持つ母親同士、2020年に結成したのは「うみのこども」。 黒潮町を拠点に、自然体験や環境問題を考える機会を作ろうと、中谷みどりさん(43)と村上弓惠さん(45)が3年前に活動をスタートした。 「子どもが保育園の時に一緒だったことがきっかけでした。環境の話なんかはみどりちゃんとが一番できるし、していたよね」(村上さん) 高知市出身の村上さん、富山県出身の中谷さんは、それぞれが黒潮町へ移住し、子育てをする母親同 ...

今日のうみ(2023年5月8日)

この町のうみべが一年で1番賑わう5月。 たくさんの人が来てくれた「Tシャツアート展」だったけど、 GW後半は雨に降られる日が多かった。 GW明けの月曜日、 雨も上がる予報で「もしかしたら・・・」と浜へ出かけるときらきらした朝日にサーファーさん、そして、まだ片付けられないでいてくれたTシャツたち。 とっても美しい景色に出会えました。 今年もありがとう、Tシャツアート展。

今日のうみ(2023年2月2日)

あっという間に2月。 寒い日が続いていたけど、今日はいつもよりちょっとだけあたたかいような気がして、なんとなく浜辺へおりたくなった。 冬の太陽に照らされて波の表面はきらきら輝きを繰り返す。 流れ着いた貝殻に視線を落とすと白くてまあるい何かがある。 「あ、ハスノハカシパン」 「これも砂浜美術館の作品」と、いつか聞いていた噂のやつ。 初めて見つけられて嬉しくて、まだあるかな?なんてうす~い期待で探していたら6つも見つかった。 職場の人にもおすそわけ。今日は何かいいことあるかな。 *うみべのくらしInstagr ...

今日のうみ(2023年1月25日)

寒い日が続いている。 大寒波の影響でうみべの町にも雪が降る。 翌朝8時半。浜辺へ出かけると、まだ雪が残っている。 ふかふか、足が雪に埋もれるというよりもてくてく、ちょっと凍ったおかげで歩きやすい今日の砂浜。 寒い日がもう少し続きそう。あったかくして、うみべの冬をたのしもう。

今日のうみ(2022年12月15日)

凪。 今日のうみは、波が全く立ってなくて穏やか。波音もしなくて、まさに「凪」っていう感じ。 波がしなやかにゆらゆら揺れていく様子は、見ているだけで心も穏やかに。心の中もフラットになる。 波がさらって綺麗になった砂浜には貝殻がたくさん。 あ、これ、シーカヤックの喜多さんに夏に教えてもらった「バンビ」かも! 見て見て、シーグラス!光に透かしたらもっと綺麗。こっちの緑のも、おひさまと相性いいよ。 今までこんなに気持ちのいい冬のお昼のうみべはあったかな?そんな風に思ってしまう、絶好のうみべ日和。 うみべのくらしの ...

今日のうみ(2022年11月24日)

12月に入り、一気に寒さが増すうみべのまち。 11月まではできたのになぁ。日課の朝日ヨガも、寒すぎて停滞中。 私のヨガの痕跡、のすぐ前にカニさんが穴を掘った痕跡 ヒトとカニの朝活。おはよう、みんな。

今日のうみ(2022年11月8日)

442年振りの皆既月食と惑星食のコラボレーションが見られるというこの日。 暗い松原の中をどきどきしながら抜け、浜辺へと一歩。 月食前の17時過ぎ、まだ高度が低く欠けてもいない綺麗なまんまるお月さまを眺め、海には月の光の道がゆらゆら。 波音が、ざあーっ、ざあーっと聞こえて、うみべの月見らしさを体感する。 よしっ。 めいっぱい癒されたのと、やっぱり夜の浜辺は少し心細くて、月食を撮影しに行こうと浜辺をあとにする。 メインはこれからだけど、この町で見る月夜は、いつだって、美しい。 「322年後」は現実的じゃないけ ...

今日のうみ(2022年10月22日)

いつものうみべからちょっと離れて。今日は伊田の港から出発。 ランニング•••のつもりが、天気が良くって海がとっても綺麗。 止まっては写真を撮り、止まっては動画を撮り、”気合いを入れて”の時間にはならなかったけど、ため息が出るくらい、素敵なキラキラ時間だったな。 ため息?息切れ?あれ、どっちだろう•••

今日のうみ(2022年10月12日)

17時40分仕事を終えてビーチに直行。日没は少し早くなったけど、まだまだ海に入れます。いい波を。

今日のうみ(2022年10月2日)

浜ヨガの朝。うみべの町のヨガスタジオは、潮風が心地良い。 潮が引く間に現れるくっきりとした朝焼けの水鏡も、波で揺れるオレンジ色も、とっても清々しい気持ち。 浜ヨガが終われば浜コーヒーでひと息。気持ちの良い日曜日の朝。

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うみべのくらしびと

その人は飽きる事なく砂浜を歩いていました。その人は岬の雲の流れで天気を当てる事ができました。その人は家族の食べる分だけを海から釣り上げていました。その人は潮風を楽しむようにいつも海を眺めていました。その人が歩いた後にゴミは無くなりました。その人は時々はボードを抱えていました。その人のコーヒーは群を抜いて美味しいと仲間内で話題になりました。その人はとてもゆっくりと丁寧に暮らしていました。その人は料理も上手に作り友人をもてなしていました。贅沢ではないけれど地元の魚や野菜を大事にして楽しんでいました。彼の口ぐせ ...

うみべのくらし、巡る

風の吹く方へ潮の香りのする方へ 波が来て帰るように僕らは浜を西に歩く今日のいい思い出が陽と一緒に沈まないように少し急ぎ足で歩く やがて時は僕らを超えオレンジの光線を残し深い深い藍の海に溶けるそれはまた明日もいい一日の約束の儀式 風の吹く方へ潮の香りのする方へ

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