All right, 行きましょう(前編)
「one two three ポイッ」「自転車も一緒。3回やったらできるよ」「自信持って」 日本語に簡単な英語が混ざり合いながら、リズミカルで優しいレクチャーの言葉が砂浜で跳ねる。 長く美しい浮鞭のビーチを前に、10年ほど前からサーフィンスクール「幡多サーフ道場」を営むディロン・ブルースさん(51)と妻・潤さん(50)。 オーストラリア出身のブルースさんが教えるスクールは、異国文化や外国人に慣れていなくたって、英語が喋れなくたって、なぜだか安心できて、いつの間にか海のとりこになってしまう。 ブルースさん自 ...
責任を持って地域とまじわる(後編)
−前編はこちらから− 「何をするにも「人に関わる」っていうことは責任が発生するじゃないですか。物事を始めると、最終的にどうにもできなくなるまでやらないと、その責任は果たせないんだろうなっていうふうに思うので最後までやろうと」 平成11年に廃校となった旧蜷川小学校は、地域の有志が集まり、宿泊や体験事業などを通じてその後も地域の拠点となることをめざし活動が継続されてきた。 その後、平成28年には集落活動センターとして設立され、今日まで、小学生から社会人などのスポーツ合宿の受け入れ、そば打ちや田舎寿司作りの体験 ...
責任を持って地域とまじわる(前編)
「自分は農業を死ぬまでやるつもりで、実家に帰ってきました。 農業をしていくうちに、自分の周りでも耕作放棄地などの問題が年々差し迫ってきている状況があることに気づきました。蜷川の人口は減っていく一方で地区の人たちも高齢者が多く、課題認識はあるがどうしたら良いか・・・。 こういう状況下なんだったら、誰かが何かをやらないとどうにもならない。 蜷川を存続させるためには、まず産業を起こして雇用確保と人を呼ぶ仕組みがないと」 そう話すのは、蜷川地区出身の橋田和人さん(42)。 2022年4月、「集落活動センターであい ...
誠実に、真心込めて支えていく(後編)
-前編はこちらから- 2021年10月、役員の改選期に合わせ、父・修さんの後を継ぎ、代表取締役となった山本浩司さん。 「自分も10年会社で働いてきて、ずっと現場監督をやるわけにも行かないし、自分の中では「どこかで」と思ってたんですよ。 これは自分の中の考えですけど。その時の社長も副社長もバリバリ活躍されてて、その人らがやられゆう間はお任せするっていうのもありやったかもしれないけど、でも、どうせ変わるやったらすごく元気なうちに僕が代表になった方がバックアップもしてくれるし。早い方がいいなと、3年くらい前に思 ...
誠実に、真心込めて支えていく(前編)
「とにかく見えてなかったと思うんです。ものを作る建設業という仕事に思いを馳せたことがなかったんじゃないでしょうかね」 そう話すのは、山本建設(株)代表取締役の山本浩司さん(40)。 祖父の代から続く家業を父・修さんから受け継ぎ2021年10月に代表に就任した。 実家も家業も佐賀にあり、中学校までを地元で過ごした浩司さん。 その後、高知工業高等専門学校へ進学し15歳から20歳までの5年間、地元を離れ青春期を過ごした。 家業を継ぐつもりはなかった。 「基本的には僕は家業をやるつもりはなくて。やっぱり田舎が嫌い ...
波を追ってたどり着いた「幸せすぎる」暮らし(後編)
−前編はこちらから− カレンさんは8年前に、海里さんは5年前にFree Hairで両親とともに働くようになった。 カレンさんが担当するのは、アイラッシュ(まつ毛)の部門。 最初は両親のアシスタントとして働くところからスタートしたけれど、 段々と「違うことがしたいな」という気持ちが湧いてきた。 その時、まつ毛の施術ができる店舗が近隣になかったことから数カ月間、高知市内へ月に2回ほど通いながら勉強をしFree Hairに帰ってきた。 カレンさんは、父・勇夫さんの影響で小学4年生の頃からサーフィンを始め、その後 ...
波を追ってたどり着いた「幸せすぎる」くらし(前編)
黒潮町大方地域の中心部にある美容室「Free Hair」。ウッドテイストの外観とイルカのロゴマークなど海を思わせる雰囲気がこの場所で爽やかな風を吹かせている。 Free Hairを営むのは、今村さんご家族。 父・勇夫さん(58)と母・なぎささん(58)が27年前に開業し、長女のカレンさん(34)、次女の海里さん(29)が順番に仲間に加わりヘアー、アイラッシュ、ネイルの3つが叶う家族経営の美容院となった。 元々、勇夫さん、なぎささんは2人とも香川県の出身。 結婚後、サーフィンが好きな勇夫さんに連れられ波乗り ...
今日のうみ(2023年5月8日)
この町のうみべが一年で1番賑わう5月。 たくさんの人が来てくれた「Tシャツアート展」だったけど、 GW後半は雨に降られる日が多かった。 GW明けの月曜日、 雨も上がる予報で「もしかしたら・・・」と浜へ出かけるときらきらした朝日にサーファーさん、そして、まだ片付けられないでいてくれたTシャツたち。 とっても美しい景色に出会えました。 今年もありがとう、Tシャツアート展。
美しく穏やかな物語の中で(後編)
―前編はこちらから― 「例えば、私が食べて、旦那さんが食べて、「おいしいな」とか「こんなものにしたいな」っていうものをお店で出して。それが「おいしいね」って思ってもらえたら、なんだか共有ができているような気がして嬉しいですね」 ティグレ、ブールドネージュ、キャラメルアーモンドサブレ。 ミルフィーユ、ショート、カヌレ。 フランス菓子店に並んでいるような美しく、静かなお菓子たちが並ぶ「雨と光」。 でも、卓也さんにも、ゆいさんにもその道での経験はない。 「本当に”好きの延長”っていう。ただただ自分たちの生活の一 ...
美しく穏やかな物語の中で(前編)
「ただコーヒーを飲んで、お菓子を食べるだけじゃなくて、聞く音楽とか、目に入るものとか。この空間全部が『雨と光』。それを大事にしてるかな」 2021年12月。うみべの住宅街にオープンした週末だけ営む珈琲とお菓子の店「雨と光」。 大城卓也さん(39)、ゆいさん(40)夫妻が自宅横の工房で週末に、お菓子やドリンクを提供する空間をオープンしている。 沖縄出身の卓也さん、地元出身のゆいさん。 2人とも植物が好き。 お店で提供している焼き菓子や生菓子、ジュースなどには2人が庭で育てるハーブが使われている。 レモングラ ...