うみべのあそび

波を追ってたどり着いた「幸せすぎる」暮らし(後編)

前編はこちらから

カレンさんは8年前に、海里さんは5年前に
Free Hairで両親とともに働くようになった。

カレンさんが担当するのは、
アイラッシュ(まつ毛)の部門。

最初は両親のアシスタントとして
働くところからスタートしたけれど、

段々と「違うことがしたいな」という
気持ちが湧いてきた。

その時、まつ毛の施術ができる店舗が
近隣になかったことから
数カ月間、
高知市内へ月に2回ほど通いながら勉強をし
Free Hairに帰ってきた。

カレンさんは、父・勇夫さんの影響で
小学4年生の頃からサーフィンを始め、
その後サーフィンにハマり出し、
実は18歳から22歳頃までは
プロサーファーとして活躍していた。

「小学生の頃、
同級生の子たちも何人かサーフィンをしていて、
その子たちと海に入るのが楽しくて
ハマっていった感じですね。

それから大会にちょこちょこ出始めて、
プロの方たちと会うようになって
私もプロになりたいなぁって、
自然とめざすようになりました」

プロになり、国内やバリなどの海外の大会にも
出るようになったカレンさん。

試合でプロの仲間たちと会うのが
楽しかったという。

そして、実は旦那さんも元プロサーファー。

ただ、旦那さんが
「これからはサーフィンは趣味にする」
という気持ちになった時に
カレンさんも同じように決め、
その後入野へ戻ってきた。

まつ毛の施術をする長女・カレンさん
お客さんの要望を聞きながら丁寧に施術していく

次女・海里さんはネイルを担当。

高校卒業後、大阪の美容専門学校へ進学するも
卒業3カ月前に辞めることとなる。

でも、
「美容師免許はやっぱり持っておきたい」
という思いから
高松の美容院で3年間の経験を積みながら
通信で勉強し資格を取得。

「最初はお父さんに教えてもらおうと思って
帰ってきたけど、
やっぱり教えてもらいよったら
家族だから腹も立つし(笑)。

で、お母さんが
「ここでトータルビューティーできたら
えいことない?」って話してて」

ヘアーは父母が、
アイラッシュは姉ができるということから、
海里さんはそれからネイルの検定を取得。

モニターの方に練習をさせてもらいながら
経験を積んでいった。

ネイルの施術をする次女・海里さん
お客さんと楽しそうに会話をしながら施術をしていく

美容院を経営する家族の子どもとして育ち、
親の働く背中を見て育ったからこそ
同じ職業を選んだのかと思う。

でも、
「大学とか行きたかったら行って、県外に出て
自分の好きなようにしたらいいよ
って言ったけど、結果2人とも近くに(笑)」

自分自身が自由なタイプで、
外に出て行きたい性格だった勇夫さんは
子どもたちもそうなるかなと思っていたし、
そう声をかけていた。

そのはずが、
現在は家族4人、同じ場所で働いている。

「でも、家族経営やからこそ、
家族っていう感じではなく、
仕事、職場としての線引きは大事にしてますね。

言葉遣いとか、
お客さんに「家族経営」っていうのを
悟られないようにとか」

家族だからこそ醸し出せる統一した雰囲気は
きっとある。

でも、美容院をそれぞれの「働く場所」として
しっかりと意識している今村家。

その思いは娘2人にも伝わっているようで。

「自分でお店を出すっていうのは、自分にはできん。
基盤を作ってくれちょうから、ありがたい。
感謝しながら、甘えながらやってます」

メリハリがあるからこそ、
大好きなサーフィンができる
絶好のロケーション・入野での暮らしが
楽しいように思える。

「趣味がすぐできる環境。
仕事も充実するし、
ストレスがなくて毎日が幸せやな。
幸せすぎて
いつか嫌なことがありそうなくらい幸せ」

自由奔放な父親の言葉に、
「いやいや」という言葉や表情が
返ってくるかと思いきや、
3人ともに否定せず、「うんうん」と頷く。

海辺での暮らし、仕事が「幸せ」と言える家族。
自然体で、とても美しい。

左から勇夫さん、海里さん、カレンさん&穂佳ちゃん、なぎささん

Free Hair」(黒潮町入野2084-1)
黒潮町大方地域の中心地・入野に位置する美容室。町内外、年代を問わずさまざまなお客さんが愛用するサロン。ヘアー、アイラッシュ、ネイルの3つがここで完結する。営業時間、予約など、詳細はこちらから。

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