増己さんのお父さんは鉄砲百合を作っていたそうだが、鉄砲百合は冷蔵庫で球根を保管したり、重いものを運ばなければならなかったりと、他の品目に比べて重労働であることから、増己さんは「何か新しい花を作ろう」と考えた。そこで出会ったのが今の主軸である「デルフィニウム」だった。 「農大の頃の同級生のいとこが芸西の方で花を栽培しよう言うてね。その人を訪ねる前は、『トルコキキョウを作りたい』と思いよって、でも、行ってみたらなかなか難しいと。それで、その芸西の人がデルフィニウムを作りよって、『野並さん、これやってみたらどう ...