うみべのいやし

今日も花と海とともに生き生きと(前編)

うみべの花屋さん。
「覚えやすいかなと思って。四季折々の花がありますという意味で付けたけど、みんな覚えにくいって」
お店の名前の由来について、笑ってそう話してくれるのは
「flower season」を営む
金子 さやかさん(43)。

国道56号線を通る際によく目に止まる。落ち着いた雰囲気のある建物「flower season」

開業した当初は一人で運営していた。

佐賀地区出身の金子さんは高校卒業後、東京にある日本フラワーデザイン専門学校へ進学。
中学校の時にテレビでフラワーデザイナーの仕事を見ていいなと思い、やりたいと思ったことがきっかけ。
もともと花自体は小学校の時から好きだった。
母親が花を育てることが好きで、土日は花ばかり触っていて、金子さんも一緒によく花を育てていた。その影響もあって花を好きになった。

専門学校へ通っていた時にドイツへ1か月間留学。
「ドイツはデザイン的で、もう深い。全然違う」
ドイツと日本の花の違いをそう語る金子さん。
「外国はくらしの中に花が溶け込んでる感じがする」
ドイツでは日常的に花を飾る。しかし、日本ではあまり飾られていない。
最近はドライフラワーを飾る人は多くなってきたけど。
花に携わってきたからこそ気づく変化。

ドイツ滞在期間の終盤には、自分で作った花束を、クリスマスマーケットで自分で売るという課題があって、言葉も通じないし、買ってくれるのか心配だったけど、
「5ユーロくらいで売ったかな。確かそれくらいだったと思う」
「何で売らないかんが思いよった。けど、楽しかった」
この経験は役には立たなかったみたいだけど、きっといい思い出となった。
「楽しかったけど、どこに行っても日本に帰ってきたいと思ったね」
ドイツはおしゃれだし、花も日本と全然違うけど、やっぱり日本が一番という。

専門学校卒業後は四万十市の花屋で勤めた。
それから7年働いて、結婚して子どもができた。
「その時主人に「自分でやったら?」て言われて」
その言葉から「flower season」ができた。

flower season店内
観葉植物が多く飾られている

なぜ黒潮町に?と聞くと、「やっぱり地元やき」と即答。

黒潮町の魅力は「海やね」
「海には今でもよく行く。散歩で犬と一緒に」
うみべで暮らす人達にとって海に行くことは、もはやあたりまえな気がする。
そのあたりまえがこのうみべの魅力。

今は去年から旦那さんも手伝いに入り、二人で運営している。

「11年?いやもっと長いかも?12・13年前やったかも。10年以上にしとって」
と金子さん。
flower seasonの正確な開業日はわからないけど、10年以上このうみべのまちにある花屋さん。
次はお店についてのお話を。

「flower season」(黒潮町下田の口511-1)
黒潮町で10年以上営む花屋。主に冠婚葬祭に対応。切り花やドライフラワー、観葉植物、鉢物など様々な種類の植物を取り扱う。営業は、午前10時~午後6時30分。水曜日が定休日。

Text Aoi Hashimoto

-うみべのいやし