「今はこればっか作りよる」
とても綺麗で落ち着いている。これなら手入れもいらないし、いい。
欲しくなってしまう。
「人気なのは多肉植物。若い人はほぼ多肉を選ぶね」
とても可愛らしい植物で人気なことも共感できる。
「よくお客さんが庭を見に来るがよ。見てって」
お言葉に甘えてお庭に。
何種類もの植物があり、なんだかとても落ち着く場所が広がって。
植物が生き生きと育っている。
そこには人気の多肉植物も。
確かにこれは見たいというお客さんも多いわけだと一人で納得。
お店の中には切り花が置いていない。
そのためお客さんが帰ってしまうことがある。
「切り花とかは別室に置いてるからね。取りに行っている間に帰っておらんがよ」
それとよく聞いたのが
「みんなに「やりようが?」ってよく言われる。営業日でも閉めちょう時が多いけん。ここは主に冠婚葬祭やけんね、お店に私はおらんことが多い」
営業日は定休日の水曜日を除いた6日間だけど、冠婚葬祭でよく外に出ているという。
「外出することも多いので、一週間前くらいまでに予約をしてくれると嬉しいかな。閉まっていたらごめんなさい」
と笑いながら言う金子さん。
とても感情豊かで素敵な方。
植物と共に生活していることも影響しているのかもしれない。
花の取り寄せは週3回行っているけど、お客さんは欲しいその日に来るから希望の花がないことも。
「なるべくは入れるようにはしているけど」
予約を早めにして欲しいというのは、お客さんの希望に添えれるようにと、少しでも花のもちがよく、その季節に合った花を提供したいという気持ちがあるからこその言葉だ。
花への熱だけじゃなくお客さんへの熱も感じられる。
商品を作るときは「常に喜んでもらいたいと思って作っている。希望にかなっているか。結婚式の時は余計にそう思う。お客さんとの打ち合わせも何度も行う」
常にお客さんを第一に考え、お客さんの希望に応えるために最善を尽くす。
金子さんのそういう性格がこのお店を素敵にさせているのだろう。
昔は、お店にある花で構わないという人が多かった。
「今はこだわりがある人も多い」
結婚式などだったら、カスミソウとバラがあったらいいといった感じだった。今は打ち合わせを三回ほど行う人もいる。時の流れに沿って、人も花も変わっている。
「逆にこっちがこだわりすぎているのかなと思うことがある」
お客様の年齢や希望をもとに、その人にあったものを、希望に沿って仕上げるという思いから、たくさん質問してしまう。
都会ならここの花屋さんが合うということがあるが、うみべにあるのは数少ない花屋さん。だからこそお客さんの希望に合わせて作らないといけない時がある。
色であったりデザインであったりを、今までの経験でお客さんの満足いくものに完成させる。
flower seasonは今日も、花と海とともに生き生きと。
「flower season」(黒潮町下田の口511-1)
黒潮町で10年以上営む花屋。主に冠婚葬祭に対応。切り花やドライフラワー、観葉植物、鉢物など様々な種類の植物を取り扱う。営業は、午前10時~午後6時30分。水曜日が定休日。
Text Aoi Hashimoto