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うみべの物語とこれからに繋げる人の想いが詰まった玉手箱(後編)

紙芝居は、1から自分たちで、制作する。 黒潮町を含め、高知県は紙芝居の文化や、それぞれの地域に残る昔話があるという。「各地に伝わる話はちゃんと語り継がれてきて、それが、地区の財産として残ってきているよね。でも、それはどうしてって話よね。それは、その時の現代を書き残している人がいて、それが何年かの月日を経て私たちの手元で見せていただけているってこと。じゃあ私たちよりも後に生まれた世代の人たちは何を読むのかしら」自分たちは先人が残してくれた文献や資料をもとに紙芝居を作ることができる。では、後人には何を残したら ...

うみべの物語とこれからに繋げる人の想いが詰まった玉手箱(前編)

今から23年前、2001年7月に結成され、現在5人のメンバーが中心となって活動する「おはなし玉手箱」。町内を中心に紙芝居の制作・上演を行っている。たくさんの話をテンポ良く話してくれるのは、代表を務める坂本あやさん(66)。 黒潮町で生まれ、父親の仕事の関係で大阪や埼玉で幼少期を過ごし、中学2年生の時に一度黒潮町へ戻る。高校生活は黒潮町で過ごすもその後また、就職をして他県で暮らした。 再び黒潮町へもどってきたのは、26歳の春。黒潮町で結婚し、子育てをしながら働いていた。 坂本さん ...

変わらないうみべの町を咲き続ける花と一緒に(後編)

マプロックではプリザーブドフラワーを中心に扱っているが、それに固執しているわけではない。 「プリザーブドフラワーにこだわることもないからね」(松田さん) 「プリザーブドフラワーのほうが絶対にいいとか思ったことはないんです。勤めた先がプリザーブドフラワーを扱っていただけで。ドライフラワーも、どっちもかわいいし。自然な色と経年劣化を味として楽しみたい人はドライが良いと思いますし、元の色に限りなく近い状態で長く楽しみたい人はプリザがいいと思ってて、買う方の好みですね」(毛利さん) プリザーブドフラワーを作ってい ...

変わらないうみべの町を咲き続ける花と一緒に(前編)

「マプロックっていう存在自体を知らなかったですよね」彼女からの問いかけに対して、肯定を表せば「私も知らなかった」笑ってそう話してくれるのは毛利萌乃花さん(30)。そんな会話を横で優しく笑いながら聞く代表の松田達哉さん(51)。 花を加工して、保存された状態の花(プリザーブドフラワー)を販売したり、ハーバリウム※作り体験を行ったりしているマプロックの始まりは松田さんのお兄さんからだった。約10年前、お兄さんが他の道に進むこととなり、マプロックとの兼業ができなくなったため、その仕事を他の人に引き継いでいった。 ...

暮らしにある浜(後編)

「今年で7年目やないかな」浜清掃と同時に区長としても今年で7年目を迎えた。年度最初の会合で次の区長を誰にしようかという話し合いの際に、近所に住む漁師の方達からの推薦で区長になった。さらに2017年3月、浜町地区に津波避難タワーが建設され、「防災かかりがま士の会」が発足された。 「かかりがましい」とは佐賀地域にある方言で、「必要以上に世話焼き」という意味がある。防災には人と「かかりがましい」くらいの繋がりが必要とのことからできた会。発足した当時は浜町地区の有志4名で構成されていたが、今は3名で活動を行ってい ...

暮らしにある浜(前編)

佐賀地区の浜町にあるきれいな砂浜「塩屋の浜」。午前5時30分。朝から浜を清掃する2人の姿。何時からいるのかと尋ねれば、「今日は4時半くらいかな」すでに一仕事を終え、待ってくれていたのは河内香さん(73)。 清掃をするようになったのは17年間清掃を続ける門脇武義さん(79)の声かけから始まる。 「手伝ってくれ」 浜には大きい流木が流れついていた。大きいものが流れて来た時には1人で動かせないとのことで手伝ってほしいと、門脇さんから散歩中の河内さんに声がかかる。毎朝散歩をしていた河内さん。「それなら一緒に清掃を ...

タイミングは風にのって(後編)

こだわりは「オリジナル」。お菓子の作り方はレシピ通りに作るのではなく、作り方を変えている。「実験です。科学実験みたい。生地が膨らむ膨らまんとか、ふんわりしっとりのどちらになるとか。温度管理とか」お菓子作りは実験のよう。専門学校は出ていない。だから一つ一つ実際に作って調べる。 まずは本で見て作ってみて、そこからいろんなアレンジを加えていく。調合していって完成へ。「習ってないので、正解がわからない。食べたらおいしいがきっと正解なんやろうなと思って、自分や家族がおいしいと思ったらそれを信じています」 「お客さん ...

タイミングは風にのって(前編)

今年の10月で2周年を迎えた小さなお菓子屋さん。 「タイミングだった」いろんなことのタイミングが合い、できたのが「風とお菓子と」。 「気持ちいい風が吹く原っぱでお菓子を食べるような。心がウキウキわくわくするようなイメージでつけました」ロゴからも伝わってくる。 お店を営むのは永森恵美さん(43)。佐賀地区で生まれ育った。中村高校卒業後は医療系の学校へ進学。その後、医療事務の仕事に勤めていた。 「完全に趣味でした」ケーキ作りは趣味で、仕事にしようと思っていなかった。日中は医療系の仕事をして、夜中に自宅でお菓子 ...

今日も花と海とともに生き生きと(後編)

「今はこればっか作りよる」 とても綺麗で落ち着いている。これなら手入れもいらないし、いい。欲しくなってしまう。 「人気なのは多肉植物。若い人はほぼ多肉を選ぶね」とても可愛らしい植物で人気なことも共感できる。 「よくお客さんが庭を見に来るがよ。見てって」お言葉に甘えてお庭に。 何種類もの植物があり、なんだかとても落ち着く場所が広がって。植物が生き生きと育っている。そこには人気の多肉植物も。 確かにこれは見たいというお客さんも多いわけだと一人で納得。 お店の中には切り花が置いていない。そのためお客さんが帰って ...

今日も花と海とともに生き生きと(前編)

うみべの花屋さん。「覚えやすいかなと思って。四季折々の花がありますという意味で付けたけど、みんな覚えにくいって」お店の名前の由来について、笑ってそう話してくれるのは「flower season」を営む金子 さやかさん(43)。 開業した当初は一人で運営していた。 佐賀地区出身の金子さんは高校卒業後、東京にある日本フラワーデザイン専門学校へ進学。中学校の時にテレビでフラワーデザイナーの仕事を見ていいなと思い、やりたいと思ったことがきっかけ。もともと花自体は小学校の時から好きだった。母親が花を育てることが好き ...