うみべのごはん

Coffee is more simple(後編)

【うみのこと】
*「コーヒーのこと編」はこちらから*

うみべの無人駅で今日もコーヒーを淹れる斉藤さん

斉藤さんは、生まれも育ちも海の近く。

子どもの頃は、川よりも海で遊んでいたし、
漁師だった祖父に船に乗せてもらい
クジラを見たことも。

高校までを黒潮町で過ごし、
大阪に進学した1年目。
その時すでに、
卒業後は地元に帰ることを決めていた。

大阪にいる頃、インスタグラムにあがっている
地元の海の写真を見て、
「やっぱりいいな」、そう思った。

「大阪にいるときよりも、
気持ちがゆっくりしています。
ちょっとしたことも、いい意味で
どうでもいいと思えるようになりました」

地元に帰ってきた斉藤さんは、
今、うみべで暮らしていて、
身体も心もちょっとほぐれてきたと
話してくれる。

「今は家から海も近いし、
こういうライフスタイル自体に
憧れてましたね」

長年過ごした地元のはずだけど、
その町の生活に憧れがある。
それってなんだか、
とっても素敵なことだなあ。

「この町が好き」
塩屋の拓丸さんのように
彼からもその言葉が急に飛び出して、
またびっくりした。

「コーヒーの楽しみ方は
もっとふわっとしていていい」

そう話す理由も、
きっとこのまちに戻り、自然に触れ、
リラックスできる生き方を
彼自身が日々の中で見つけたからなんだろう。

いつかもっと海に近い、
ほんとの「うみべ」で
コーヒーを提供する日にむけて、
今、彼のコーヒー屋では
スパイスカレーも販売している。

うみべの机でコーヒー「海」とスパイスチキンカレーを楽しむ。
美味しいにおいにトンビがやって来るのでご注意。

そのカレーもまた、
レシピはがちがちに固めず、
その時々、
相手によって少しずつ変えるという。

楽しみかたは、もっとシンプルでいい。
コーヒーだって、カレーだって、人生だって。

「おいしいものって、
「景色も含めて」じゃないですか」
という彼の言葉を聞いて、
いつかこのお店が海の見える場所に移ったら
また違うコーヒーの味になるかもしれないし、
カレーだって、そうかもしれない。

そう、それがいいんだと、そう感じた。

きれいな海と、おいしいもの。
それだけで、単純に、最高なんだから。

海風を感じながらコーヒーを楽しむ時間。
ちょっとの時間でも最高のリフレッシュに。

【斉藤成希さんの「うみべのくらし」】
5:00 起床。サーフィンをしに入野海岸へ。

7:30 海からあがる。

8:00 一度出勤。
お店でコーヒーを焙煎し、帰宅。

9:30 再度出勤をし、オープンの準備。

10:00 営業開始

16:00 営業終了。夕方のサーフィンへ。

19:00 サーフィンを終え、
お店で焙煎などの仕込み。

21:00 帰宅。
夕ご飯を食べ、
スマフォをいじりながらのんびり。

0:00 就寝

「sunlife coffee」Instagram
https://instagram.com/sunlife_coffee/

斉藤成希さん(24歳)
黒潮町入野生まれ。小中高と地元の学校に通い、大阪の専門学校へ4年間通う。その後帰郷し、半年後に「sunlife coffee」をオープン。コーヒー屋の経営をしながら理学療法士の国家試験合格をめざし勉強中。

text:Lisa Okamoto

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