-前編はこちらから-
デザインや写真が得意な山本さんは、
今、そのセンスを活かして
うみべのホテルの魅力を
若い感覚で打ち出している。
「僕がグラフィックデザインができることで、
ホテルの見せ方は今までと変わったかな。
以前は地元のお客さんが多かったんですけど、
今は若い方や女性のお客さんも増えました。
自分がそこでどう過ごせるのか、
どんな風に映るのかが
今の時代、重要視されてると思うんです。
だからそれを想像しやすいように」
ホテルの利用者が
インスタグラムなどのSNSへアップすることも
しっかりイメージしながら。
彼氏目線で女性を撮影した動画をアップしたり、
今の時代にあわせた発信を。
![](https://umibenokurashi.jp/wp-content/uploads/2022/06/nest2-tutu.jpg)
女性客が増えた理由のひとつ。
思わず「きゅん」としそうな仕掛けは
ホテルのHPにも。
「ここの魅力は季節の移ろいとか、波の音とか、
自然環境だと思うんです。
だから、HPにもクジラとか、
風に揺れるラッキョウの花を入れたり」
![](https://umibenokurashi.jp/wp-content/uploads/2022/06/nestHP1-1.jpg)
![](https://umibenokurashi.jp/wp-content/uploads/2022/06/nestHP2-1.jpg)
ホテル目の前に広がるラッキョウ畑の花などのイラストが
ページのあちこちにアクセントを加える。
3カ月前にリニューアルしたネストのHPには
ホテルへ来たお客さんが
周辺で楽しめる自然が
可愛らしく散りばめられている。
「コロナ禍で、みんなが密を避けてきたけど、
このホテルの環境にはそもそも密がないし、
密にならない。
砂浜美術館がこれまで打ち出してきた
「ありのままの自然を楽しむ」ということを
ネストも同じように一緒にやっていけるし、
一緒にやっていけば、
町としての魅力もぶれないなっていう
安心感もありますね」
ホテルの前には
30年以上前から
何もない砂浜を美術館に見立て、
ありのままの風景を楽しむ
という考え方を提案してきた
「砂浜美術館」がある。
その自然環境を
今、山本さんの見せ方で
ホテルの魅力とともに発信している。
![](https://umibenokurashi.jp/wp-content/uploads/2022/06/nest2-deck.jpg)
ゆったりと砂浜美術館の移ろいを感じられる。
うみべにたたずむ一軒のホテル「ネスト」。
「鳥の巣」という意味がある名前。
「つけられた当初のことはわからないですけど、
黒潮町の玄関であってほしいし、
お客さんたちが
帰ってきたいと思えるような場所にしたい
と思ってます」
![](https://umibenokurashi.jp/wp-content/uploads/2022/06/nest2-flowers.jpg)
![](https://umibenokurashi.jp/wp-content/uploads/2022/06/nest2-garden-683x1024.jpg)
玄関口や中庭ではハーブなどの花や緑が楽しめて
とても気持ち良い。
洗練されたデザインにすることは
簡単かもしれない。
でも、山本さんが黒潮町に帰ってきて
この町をさらに好きになったり、
小さい頃から知っている大切な仲間がいたり、
ありのままを楽しめる自然がそこにあったり。
ぱっと目に映るものだけでなく、
大切にしたいものが詰まっている。
うみべの町から一歩出て
どこかに旅に出かける時、
私も、
そんなあたたかさが詰まったホテルを選んでみよう。
「ネスト・ウエストガーデン土佐」(黒潮町入野184)
1997年開業。入野海岸や入野松原を望む場所で宿泊・レストラン・ウェディング事業等を行う海辺のホテル。お菓子屋さん「tutu」を併設。昨年夏には敷地内にグランピング施設「nokka(ノッカ)」もオープン。トレーラーハウス型の施設で自然を楽しみながらの宿泊も可能。
text Lisa Okamoto