lisa9640

「釣りの楽園」は人生で一番楽しい暮らし(前編)

「小さな頃から雑誌なんかで『四国は楽園だ』みたいなことを見ていたんですよね。初めて黒潮町に来た時にも、やっぱり『楽園に来たな』っていう感じがしました」 宮城県山元町で生まれ育った筑波勇矢(つくばゆうや)さん(34)。小さな頃から釣りが好きで、父や兄に付いて釣りをしながら育った。黒潮町へ来て今年で4年、筑波さんをこの町へ誘ったのも、やっぱり「釣り」だった。 「黒潮町に来るまで、ずっと実家で親と一緒に住んでたんです。で、まぁ大人なので、『そろそろ家を出ろ』と親に言われるわけですよね。どうしようかなぁって時に、 ...

川のほとりの未完成の家で、夢を追い続ける暮らし(後編)

アメリカ・メリーランド州出身のデイヴさん。 「小さな頃から周りに家を建てたり、直したりする人たちが多かった。友だちの家族も、小さな別荘みたいなものを自分たちで作ったり。自分も小さな頃からそれを手伝ったりして いた」(デ) 幼少期から、セルフビルドの環境に囲まれていたデイヴさん。うみべの町に移り住み、自分で家を建てようと決めたのも、自然な流れだったのかもしれない。 家を建てようと考え始めたのは7~8年前。実際に建設を始め、住めるようになるまでに4年の月日をかけ、2 年半ほど前からこの家で暮らし始めた。 国道 ...

川のほとりの未完成の家で、夢を追い続ける暮らし(前編)

「まだ未完成。できたらまだまだ色々したいことがある。今度はこの家の裏にtree houseを作る。東屋も作る」 「パパ〜、ブランコまだ作らんが?」 「tree house作ったら、ブランコも作るよ」 黒潮町奥湊川でセルフビルドの家に住む横内さんご家族。夫・デイヴさん(44)、妻・悠(はるか)さん(39)、息子・海都(かいと)くん(7)、娘・映葉(えいば)ちゃん(5)の4人、 約4年の歳月をかけて自ら建設した家に2年半ほど前から移り住み、家族で暮らす。ただ、 完成形のように見える家は、「未完成」。これからや ...

田野浦に咲く青く透き通る花々と2人の笑顔 (後編)

増己さんのお父さんは鉄砲百合を作っていたそうだが、鉄砲百合は冷蔵庫で球根を保管したり、重いものを運ばなければならなかったりと、他の品目に比べて重労働であることから、増己さんは「何か新しい花を作ろう」と考えた。そこで出会ったのが今の主軸である「デルフィニウム」だった。 「農大の頃の同級生のいとこが芸西の方で花を栽培しよう言うてね。その人を訪ねる前は、『トルコキキョウを作りたい』と思いよって、でも、行ってみたらなかなか難しいと。それで、その芸西の人がデルフィニウムを作りよって、『野並さん、これやってみたらどう ...

田野浦に咲く青く透き通る花々と2人の笑顔 (前編)

「小さい頃、学校から家に帰ってきたら、親父からの書き置きがあって。『どこそこで仕事しようけん、手伝いに来い』言うて。学校が昼までの時には、帰るとお昼ご飯とその横に書き置きが置いちょうけん、ご飯を食べちょったら書き置きを見た思われるけんね。ご飯を食べんと遊びに行ったりね」 優しい顔で笑いながら小さな頃の記憶を話すのは、黒潮町田野浦地区でデルフィニウムなどの花卉を栽培をする農家・野並増己さん(64)。田野浦地区と言えば、町内では「花卉」というイメージがあるが、最初にこの地区で花卉栽培のハウスを始めたのが増巳さ ...

いちごの声を聞きながら。蜷川で思い描く「農」の暮らしを(後編)

2011年、4月。 憲司さん、さち子さんはいよいよ自分たちの農業を始めることに。 ただ、それから十数年、今にたどり着くまでにはさまざまな変遷があった。 独立当初、まだ蜷川地区では空いている畑が見つからず、別の地区に畑を借り、ニンニクやジャガイモ、スナップエンドウを育てていた2人だったが、蜷川地区でハウスを譲ってくれるというおじいちゃんに出会う。 「蜷川に住むがやったら、消防団にも入って、部落の集まりや地域内での役割など、積極的に顔を出した方が良いっていう話を聞いていて、それで自分も『そうだな』と思って、活 ...

いちごの声を聞きながら。蜷川で思い描く「農」の暮らしを(前編)

「やっぱり、作物でも『相性』ってあると思うんですよ。ミョウガを栽培している時には、好きだけど自分たちには声が聞こえなかった。不思議なんですよね。イチゴに戻って、『こうやったらええやろうか』なんて考えながら世話をしていたら、やっぱり返ってくる。声が返ってくる」 黒潮町蜷川地区で農家として働く杉本憲司さん(46)・さち子さん(41)ご夫妻は、息子の祐樹くん(12)、浩輔くんと(9)と4人家族。イチゴ・レモン・サツマイモを栽培し、「sugimoto farm(スギモトファーム)」の名で町内外へ出荷している。 農 ...

日常に寄り添う器とおやつ(後編)

「『日常使いの器』をと思って作っています。お金がなくてもご飯茶碗一つあったら、なんか、いいですよね。やっぱり量産したものと、一つひとつ手作りのものは全然違う。『料理があっての器』と思っているので、料理の邪魔にならず、手作りの良さがみんなに少しでも伝わったらいいなと思っています」(弘晃さん) 遺跡発掘の際に地面の下から出てきた陶器を見て、「『粘土って、焼いたらこうなるんだな』っていう当たり前のこと、すごくシンプルなことなんですけど、『僕のやりたいことはこれだな』」、そう感じたと話す弘晃さん。 自分が感じたま ...

日常に寄り添う器とおやつ(前編)

「多分、みんな・・・みんなというか私もそうやったけど。どこかへ旅行に行ったり、都会に遊びに行ったり、そういうことの方が『すごく楽しい』って思い込んでるけど、『日常』が本当は一番楽しい。そのことに気づいたら、もっとなんか、なんだろう・・・。もっと楽しいことがいっぱいあるんじゃないかなって思うんです」 黒潮町・佐賀に拠点を置き、2010年から「日常屋」を営んでいるのは、清藤弘晃さん(49)と志乃さん(48)ご夫妻。弘晃さんが陶器を作り、志乃さんが焼き菓子を製造し、2本柱で生業としている。 「日常屋」という人々 ...

いつだって、海はみんなのあそび場だから(後編)

「うみのこども」としての活動は、主にビーチクリーンを年に4回ほど、また、小学校から高校を対象に環境に関する授業を行なっている。昨年度は、町が『地球温暖化対策実行計画』を策定する際に町と住民の間に立ち、住民の意見を計画に活かしてもらえるようにワークショップの開催などもした。 「『黒潮町がこんな風だったらいいな』っていう皆さんの意見が、町の温暖化対策と結びつくように。映画上映会をした後、みんながどんな未来のイメージを持っているかっていうのを出し合う時間も設けました」(村上さん) 子育て、福祉、暮らし、仕事。さ ...