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Coffee is more simple(後編)

【うみのこと】*「コーヒーのこと編」はこちらから* 斉藤さんは、生まれも育ちも海の近く。 子どもの頃は、川よりも海で遊んでいたし、漁師だった祖父に船に乗せてもらいクジラを見たことも。 高校までを黒潮町で過ごし、大阪に進学した1年目。その時すでに、卒業後は地元に帰ることを決めていた。 大阪にいる頃、インスタグラムにあがっている地元の海の写真を見て、「やっぱりいいな」、そう思った。 「大阪にいるときよりも、 気持ちがゆっくりしています。 ちょっとしたことも、いい意味で どうでもいいと思えるようになりました」 ...

今日のうみ(2022年4月7日)

20℃を超えるあたたかな春の午後。 海の色も、空の色も元気。 お昼休みに「浜弁」もいいかも。 うみべに持って行くなら何弁当にする?

Coffee is more simple(前編)

【コーヒーのこと】 「楽しみ方は、もっとふわっとしていていいんじゃないかなと思うんですよね」 彼の世代の生き方って、ものすごく良いなと思う。 うみべの無人駅で「sunlife coffee」というコーヒースタンドを営むのは、斉藤成希(さいとうみずき)さん(24)。 2015年頃、日本のコーヒー業界にもサードウェーブが到来した時代があった。 産地や生産者をクリアにして、キーワードは「トレイスブル」、「サステナブル」。味わいは、浅煎りが主流。 2020年3月。彼が無人駅にコーヒー屋を構えた当初、自身もその流れ ...

春のきっかけ

小さく麗な青紫の花を咲かすのは「ハマエンドウ」。 全国の砂地などに生息すると言われている植物だそうで、この町のうみべでも、春になるとその姿を見ることができる。 3月。いつもと変わらぬ浜辺の散歩道。 その両脇の茂みに、ふと、生き生きとした色を発見する。 「あったかくなってきたな」ハマエンドウを見ると自然とそう感じるようになった。 ハマエンドウを発見すれば、Tシャツアート展はすぐそこに。 Tシャツアート展が来れば、うみべの町はもうほどほど夏に近い。 そしてすぐに梅雨がやってきて、本格的な夏の到来を待ち焦がれる ...

今日のうみ(2022年4月2日)

早朝5時半。家を出て海へ向かうと浜辺はもう明るくなっていた。 この前まで、同じ時間はあんなに暗かったのに。4月。あっという間に春が来たなぁ。 今日の海は曇っているけれど、間から見えた少しの太陽に感謝。 オレンジ色に染まる波の軌跡に数分見惚れて。さぁ、今日は何をしようかな。

塩屋のえがお(後編)

*前編はこちらから* 黒潮町に帰ってきた吉田拓丸さん。 「この町でなければ、塩づくりは続けてこられなかった。自然、太陽、海というこの町の環境的な理由はもちろんだけど、よそ者が変なことをしているという目で見るよりも、それよりも、あたたかい目で見てくれる。海沿いの町の人ならではの人のおおらかさ、あたたかさがあったから」 そう話す拓丸さんは、「この町が好き」、そうしっかりと言葉にする。 「単純に、海はとっても好き。山間部や都市部で生活することは想像できないし、というか嫌。将来別荘を建てられるとしても、やっぱり海 ...

うみべのくらし、巡る

風の吹く方へ潮の香りのする方へ 波が来て帰るように僕らは浜を西に歩く今日のいい思い出が陽と一緒に沈まないように少し急ぎ足で歩く やがて時は僕らを超えオレンジの光線を残し深い深い藍の海に溶けるそれはまた明日もいい一日の約束の儀式 風の吹く方へ潮の香りのする方へ

うみべのくらしびと

その人は飽きる事なく砂浜を歩いていました。その人は岬の雲の流れで天気を当てる事ができました。その人は家族の食べる分だけを海から釣り上げていました。その人は潮風を楽しむようにいつも海を眺めていました。その人が歩いた後にゴミは無くなりました。その人は時々はボードを抱えていました。その人のコーヒーは群を抜いて美味しいと仲間内で話題になりました。その人はとてもゆっくりと丁寧に暮らしていました。その人は料理も上手に作り友人をもてなしていました。贅沢ではないけれど地元の魚や野菜を大事にして楽しんでいました。彼の口ぐせ ...

塩屋のえがお(前編)

かつて、生物は海から誕生しました。我々人間も海に住んでいた頃の記憶を宿して生きています。人間の体液や、母親の羊水は、古代の海水のミネラルバランスと酷似しています、人間一人一人、海を体の中に抱えながら生きているのです。だから空気や水と同様、塩も人間にとって必要不可欠なもの、無いと生きてはいけないものなのです。そして、地球上の全てのものは長い時間をかけ、やがて最終的に海に還っていきます。そう、海は地球のスープなのです。海から生まれ、海を抱えて生き、海に還る。この循環を私達は、とてもロマンチックに感じながら塩作 ...

はじめまして

「うみべのくらし」は、私たち、海辺に住む者の暮らしから見える自然・人・地域のゆたかさを発信するウェブマガジン。 「はじめまして」のごあいさつに、まずは私たちがどんな人間なのか、どんな場所に住んでいるのか、そして、どんなことを発信しようとしているのか、ちょっとだけお話させてください。 「私たち」は、四国・高知県の西部にある黒潮町(くろしおちょう)という町に住んでいます。 この町を訪れたことのない方に、わかりやすく説明するとするならば・・・ 人口約1万人。日本一の船団を有する「カツオの一本釣り」が有名で、多く ...