黒潮町大方地域の中心部にある
美容室「Free Hair」。
ウッドテイストの外観とイルカのロゴマークなど
海を思わせる雰囲気が
この場所で爽やかな風を吹かせている。
Free Hairを営むのは、今村さんご家族。
父・勇夫さん(58)と母・なぎささん(58)が
27年前に開業し、
長女のカレンさん(34)、
次女の海里さん(29)が順番に仲間に加わり
ヘアー、アイラッシュ、ネイルの3つが叶う
家族経営の美容院となった。
元々、勇夫さん、なぎささんは
2人とも香川県の出身。
結婚後、サーフィンが好きな勇夫さんに連れられ
波乗りができる地を転々とした。
カレンさんが生まれてからは3年間、
オーストラリアにいたことも。
1年目はワーキングホリデーのビザで滞在し、
その後2年間は美容室のスポンサーを見つけ、
仕事をしながら
オーストラリアの波を楽しんだ。
帰国後、一度地元の高松に戻るものの、
やはり、サーフィンを理由に
四万十市に住んだりしながら
最終的にこの地へ辿り着いた。
「中村(四万十市)にいた頃も、
自分たちのお店ができる場所を
探したりしてたんですけど、
しばらく見つからなくて。
今の店舗の前の店舗があるんですけど、
そこはここからすぐのところ。
たまたま、車でその前の信号で停まった時に
パッて横を見たら、
小さい紙で「入居者募集」って
書いてたんです。で、すぐ連絡して即決」
サーフィンを楽しみながら暮らし、
仕事ができる場所として
今村家は黒潮町へ移り住んだ。
「10代の頃から高松から入野に通ってました。
オーストラリアにいる頃も
毎日サーフィンができるじゃないですか。
でも、高松に帰ってきたら
それはやっぱり無理で。
だから四国の中でもこの場所に」
昔からサーフィンが
暮らしの中心にあった勇夫さん。
一方、なぎささんは
サーフィンには全く興味がなかったそう。
「私はその頃全然してなくて。
こっちに移住して2年目くらいから始めました。
それまでは全然興味がなくて。
逆に嫌だった(笑)
全てがサーフィン中心だったから」
勇夫さんのサーフィン好きから決まった
新しい地での生活。
勇夫さんの自由さは、お店の名前にも。
「あんまり縛られたくない。
自由な発想とか、そんなイメージ。
自分がお店出す時には
この名前がいいなって前から決めてたんです。
イルカのロゴマークは、
陰と陽をアレンジして考えて作りました」
自分の好きなことを求め、
自由な考えで移り住んできた入野での暮らし。
「入野のビーチは広いから、
サーフィンをする時に束縛感がない。
サーフィンをしている人も自由で、
ビジターもローカルも楽しんでる雰囲気がある」
今でも波があれば平日はほぼ毎日、
仕事が始まる前の早朝に海へと出かけていく。
あの頃はサーフィンが嫌いだった
というなぎささんも
今では勇夫さんと一緒に
波乗りに出かけていくというから驚き。
「長女が小学2年生の頃に
サーフィンをし出したんです。
それまでは嫌だったけど、
長女が
「お母さんがやるがやったらやる」
って言って。
それから一緒にするようになって、
ハマりましたね」
勇夫さん、なぎささん、カレンさん、
そしてカレンさんの旦那さんもサーファーという
家族が全員サーファーの一家・・・
と、思いきや、
次女・海里さんは全くしないそうで。
「全然しません。
お仕置きで入れさせられてたような感じ(笑)
何が楽しいのかわからなくて
ハマらなかったですね」
末っ子の自由さなのか、
勇夫さんの精神が受け継がれているのか、
そう答える海里さんを含め、
今村さん一家の明るさやゆるさからくる
幸せ感が伝わってくる。
父・勇夫さんが選んだ入野で育ち、
美容師の娘として育った2人は今、
両親とともに働いている。
「2人が入ってから、
お店は以前よりも明るくなりましたね」
想像もしていなかったけど、
2人の娘が一緒に働いてくれることになり、
若い世代のお客さんから年配の方まで、
幅広く来てくれるお店になっていった。
「Free Hair」(黒潮町入野2084-1)
黒潮町大方地域の中心地・入野に位置する美容室。町内外、年代を問わずさまざまなお客さんが愛用するサロン。ヘアー、アイラッシュ、ネイルの3つがここで完結する。営業時間、予約など、詳細はこちらから。