小さく麗な青紫の花を咲かすのは「ハマエンドウ」。
全国の砂地などに生息すると言われている植物だそうで、
この町のうみべでも、
春になるとその姿を見ることができる。
3月。いつもと変わらぬ浜辺の散歩道。
その両脇の茂みに、ふと、生き生きとした色を発見する。
「あったかくなってきたな」
ハマエンドウを見ると
自然とそう感じるようになった。
ハマエンドウを発見すれば、
Tシャツアート展はすぐそこに。
Tシャツアート展が来れば、
うみべの町はもうほどほど夏に近い。
そしてすぐに梅雨がやってきて、
本格的な夏の到来を待ち焦がれる。
私にとってハマエンドウの発見は、
より一層輝き出す季節が
うみべの町に広がり始めたことを意味している。
そうやって、季節は移ろって行く。
きっかけは、足元にあるかもしれない。
いつもの風景の一部に隠れているかもしれない。
あなたが季節を感じる瞬間は、
どこにありますか?
text Lisa Okamoto