変わらないうみべの町を咲き続ける花と一緒に(前編)

「マプロックっていう存在自体を知らなかったですよね」彼女からの問いかけに対して、肯定を表せば「私も知らなかった」笑ってそう話してくれるのは毛利萌乃花さん(30)。そんな会話を横で優しく笑いながら聞く代表の松田達哉さん(51)。 花を加工して、保存された状態の花(プリザーブドフラワー)を販売したり、ハーバリウム※作り体験を行ったりしているマプロックの始まりは松田さんのお兄さんからだった。約10年前、お兄さんが他の道に進むこととなり、マプロックとの兼業ができなくなったため、その仕事を他の人に引き継いでいった。 ...

見える景色に今日もイメージとガラスを膨らます(後編)

「ガラスをやってる魅力は、あのね、あの炉の中で溶けているガラスってね、飴色になってて。デレェ〜って溶けていく、あれを見てるのがね、綺麗で気持ちいいの。それで、あれを見るためには、自分でガラスを溶かさない限りは見られない。溶けている状態のガラスを見ているのが一番綺麗で」 ガラス作りの道に行くと決めた時、ガラスでなければならない理由はなかったけれど、あれから30年以上の時を経て、ガラスの魅力を話す植木さんの顔には自然と笑みが浮かんでいる。 植木さんのガラス作りは、北海道から始まった。 高知の西の端の温暖な気候 ...

見える景色に今日もイメージとガラスを膨らます(前編)

「上手にできないところ。できないから、作りたいから、やる。作れるようになりたいから延々やってる」 ラッキョウ畑と入野海岸を望む最高のロケーションで、熱い炉の中で溶けていくガラスと日々向き合うのは、「海辺のガラス工房kiroroan」の植木栄造さん(59)。40歳で黒潮町入野に自身の工房を開き、まもなく20年を迎える。 植木さんは土佐清水市の海育ち。小さな頃から砂利が転がる浜辺が遊び場だった。 「俺、清水の浜育ちなんで、子どもの頃から『遊ぶ』って言ったら海で泳いだりして。なので、浜に転がってるシーグラスとか ...

「ついでの場所で、ついでに驚きが生まれれば」漁師町の風土を感じる道の駅

-前編はこちらから- 今年10周年を迎えた「道の駅なぶら土佐佐賀」(以下、道の駅なぶら)は、黒潮町佐賀の漁師町にある道の駅らしい、その特徴が前面に押し出され、地元の人はもちろん、観光客の多くを魅了してきた。 何と言ってもその特徴は、明神水産系列の道の駅ならでは、「藁焼きカツオのたたき」。 一歩店内へ入ると、透明のガラス越しでカツオを藁焼きにしている様子を見ることができ、県外から訪れる人は、きっと、じーっと見入ってしまう人も多いんだろうなと想像ができる。 「やっぱりこだわりはカツオの藁焼き。明神水産らしさが ...

「ついでの場所で、ついでに驚きが生まれれば」漁師町の風土を感じる道の駅(前編)

高知の西へ、西へ。 高知県幡多地域の玄関口として、観光客や地元の人にも愛されてきた。今年10周年を迎えたのは、「道の駅なぶら土佐佐賀」(以下、「道の駅なぶら」)。 駅長を務めるのは、(株)なぶら土佐佐賀の代表取締役社長の明神慶さん(43)。黒潮町佐賀地域に生まれ、中学卒業までを地元・佐賀で過ごした。 父の明神正一さん(現・明神水産株式会社代表取締役)、以前うみべのくらしでも取材をさせていただいた弟の明神洋次さんもカツオ漁師の道を通り、漁師町の中で育ってきた慶さん。 でも、慶さんが最初に進んだ道はそれとは異 ...

大阪での経験と小さな町に寄り添う変化とともに 無人駅のケーキ屋さん(後編)

「ここでお店を始めたあの当時に来てくれていた高校生たちが、今は大人になって子どもを連れて遊びに来てくれたり、県外から帰省の度に寄ってくれたりする。そういう時は嬉しいなぁ」 山本さんは開業当初の頃を振り返りながらそう笑みを浮かべる。 両親の出身地ではあったものの、ほとんど見知らぬ土地でケーキ屋を始めた山本さん。大阪など関西圏での経験は多く積んでいたものの、「あの頃」のようにはいかないこともたくさんあった。 「ちょっとおごりがあったかもしれん。大阪時代、自分で考えて作ったシュークリームで店には行列ができて、テ ...

大阪での経験と小さな町に寄り添う変化とともに 無人駅のケーキ屋さん(前編)

うみべの町の小さな無人駅でケーキ屋を営むのは、山本猛志さん(59)。 「ケーキの職人やまもと」と看板を出し、この町でもう19年、生菓子や焼き菓子を作り続けている。地元の人はもちろん、町外、県外にもファンが根付いてきた。 奈良県出身の山本さん。高校までを地元・吉野で過ごし、高校卒業後は大阪へ出て料理の専門学校へ通う。高校卒業までの間、ギリギリまで進路は悩んでいた。 「高校の時、僕は彫刻家になりたかったんですよ。でも、彫刻じゃ十分な稼ぎは得られないかもしれん。そんな時に出席した結婚式で、砂糖で作られたウェディ ...

暮らしにある浜(後編)

「今年で7年目やないかな」浜清掃と同時に区長としても今年で7年目を迎えた。年度最初の会合で次の区長を誰にしようかという話し合いの際に、近所に住む漁師の方達からの推薦で区長になった。さらに2017年3月、浜町地区に津波避難タワーが建設され、「防災かかりがま士の会」が発足された。 「かかりがましい」とは佐賀地域にある方言で、「必要以上に世話焼き」という意味がある。防災には人と「かかりがましい」くらいの繋がりが必要とのことからできた会。発足した当時は浜町地区の有志4名で構成されていたが、今は3名で活動を行ってい ...

暮らしにある浜(前編)

佐賀地区の浜町にあるきれいな砂浜「塩屋の浜」。午前5時30分。朝から浜を清掃する2人の姿。何時からいるのかと尋ねれば、「今日は4時半くらいかな」すでに一仕事を終え、待ってくれていたのは河内香さん(73)。 清掃をするようになったのは17年間清掃を続ける門脇武義さん(79)の声かけから始まる。 「手伝ってくれ」 浜には大きい流木が流れついていた。大きいものが流れて来た時には1人で動かせないとのことで手伝ってほしいと、門脇さんから散歩中の河内さんに声がかかる。毎朝散歩をしていた河内さん。「それなら一緒に清掃を ...

今日のうみ(2023年5月8日)

この町のうみべが一年で1番賑わう5月。 たくさんの人が来てくれた「Tシャツアート展」だったけど、 GW後半は雨に降られる日が多かった。 GW明けの月曜日、 雨も上がる予報で「もしかしたら・・・」と浜へ出かけるときらきらした朝日にサーファーさん、そして、まだ片付けられないでいてくれたTシャツたち。 とっても美しい景色に出会えました。 今年もありがとう、Tシャツアート展。

今日のうみ(2023年2月2日)

あっという間に2月。 寒い日が続いていたけど、今日はいつもよりちょっとだけあたたかいような気がして、なんとなく浜辺へおりたくなった。 冬の太陽に照らされて波の表面はきらきら輝きを繰り返す。 流れ着いた貝殻に視線を落とすと白くてまあるい何かがある。 「あ、ハスノハカシパン」 「これも砂浜美術館の作品」と、いつか聞いていた噂のやつ。 初めて見つけられて嬉しくて、まだあるかな?なんてうす~い期待で探していたら6つも見つかった。 職場の人にもおすそわけ。今日は何かいいことあるかな。 *うみべのくらしInstagr ...

今日のうみ(2023年1月25日)

寒い日が続いている。 大寒波の影響でうみべの町にも雪が降る。 翌朝8時半。浜辺へ出かけると、まだ雪が残っている。 ふかふか、足が雪に埋もれるというよりもてくてく、ちょっと凍ったおかげで歩きやすい今日の砂浜。 寒い日がもう少し続きそう。あったかくして、うみべの冬をたのしもう。

今日のうみ(2022年12月15日)

凪。 今日のうみは、波が全く立ってなくて穏やか。波音もしなくて、まさに「凪」っていう感じ。 波がしなやかにゆらゆら揺れていく様子は、見ているだけで心も穏やかに。心の中もフラットになる。 波がさらって綺麗になった砂浜には貝殻がたくさん。 あ、これ、シーカヤックの喜多さんに夏に教えてもらった「バンビ」かも! 見て見て、シーグラス!光に透かしたらもっと綺麗。こっちの緑のも、おひさまと相性いいよ。 今までこんなに気持ちのいい冬のお昼のうみべはあったかな?そんな風に思ってしまう、絶好のうみべ日和。 うみべのくらしの ...

今日のうみ(2022年11月24日)

12月に入り、一気に寒さが増すうみべのまち。 11月まではできたのになぁ。日課の朝日ヨガも、寒すぎて停滞中。 私のヨガの痕跡、のすぐ前にカニさんが穴を掘った痕跡 ヒトとカニの朝活。おはよう、みんな。

今日のうみ(2022年11月8日)

442年振りの皆既月食と惑星食のコラボレーションが見られるというこの日。 暗い松原の中をどきどきしながら抜け、浜辺へと一歩。 月食前の17時過ぎ、まだ高度が低く欠けてもいない綺麗なまんまるお月さまを眺め、海には月の光の道がゆらゆら。 波音が、ざあーっ、ざあーっと聞こえて、うみべの月見らしさを体感する。 よしっ。 めいっぱい癒されたのと、やっぱり夜の浜辺は少し心細くて、月食を撮影しに行こうと浜辺をあとにする。 メインはこれからだけど、この町で見る月夜は、いつだって、美しい。 「322年後」は現実的じゃないけ ...

今日のうみ(2022年10月22日)

いつものうみべからちょっと離れて。今日は伊田の港から出発。 ランニング•••のつもりが、天気が良くって海がとっても綺麗。 止まっては写真を撮り、止まっては動画を撮り、”気合いを入れて”の時間にはならなかったけど、ため息が出るくらい、素敵なキラキラ時間だったな。 ため息?息切れ?あれ、どっちだろう•••

今日のうみ(2022年10月12日)

17時40分仕事を終えてビーチに直行。日没は少し早くなったけど、まだまだ海に入れます。いい波を。

今日のうみ(2022年10月2日)

浜ヨガの朝。うみべの町のヨガスタジオは、潮風が心地良い。 潮が引く間に現れるくっきりとした朝焼けの水鏡も、波で揺れるオレンジ色も、とっても清々しい気持ち。 浜ヨガが終われば浜コーヒーでひと息。気持ちの良い日曜日の朝。

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うみべのくらしびと

その人は飽きる事なく砂浜を歩いていました。その人は岬の雲の流れで天気を当てる事ができました。その人は家族の食べる分だけを海から釣り上げていました。その人は潮風を楽しむようにいつも海を眺めていました。その人が歩いた後にゴミは無くなりました。その人は時々はボードを抱えていました。その人のコーヒーは群を抜いて美味しいと仲間内で話題になりました。その人はとてもゆっくりと丁寧に暮らしていました。その人は料理も上手に作り友人をもてなしていました。贅沢ではないけれど地元の魚や野菜を大事にして楽しんでいました。彼の口ぐせ ...

うみべのくらし、巡る

風の吹く方へ潮の香りのする方へ 波が来て帰るように僕らは浜を西に歩く今日のいい思い出が陽と一緒に沈まないように少し急ぎ足で歩く やがて時は僕らを超えオレンジの光線を残し深い深い藍の海に溶けるそれはまた明日もいい一日の約束の儀式 風の吹く方へ潮の香りのする方へ

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